スタンフォードで1週間合宿(2)

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(1)に続き、この前参加してきたスタンフォード大学でのサミットのリポートです。1週間を通して考えたこと、感じたことをば。

#学び

・異なるバックグラウンドの人と、”本当の意味で”コミュニーケーションする難しさ

(1)に書いた「インド人パネェっす」みたいな実感というのは、態度から簡単に読み取れるものだしある意味表面的な洞察。大してコミュニーケーションをとってなくても、ほげーって外から見ててもわかる。それより難しいのは相手の発言の文脈を捉えること。これは言語が達者になってものしかかってくるものだと思う。相手が日本で育った日本人であれば、その立ち位置というか、性格・言動・学歴・仕事などの構成要素がある程度自分の経験をもとに分類できるから、なんとなくても「この人はこういう人やな」ってラベル付けできる。そうした背景がわかれば相手の発言の文脈も捉えやすい。文脈がわかればその意見にどの程度重みがあるのか、信頼性や真剣度?があるのかがわかる。それがわかれば議論も進めやすくなるし、なにより相手のことをよりきちんと理解でき、”本当の意味で”コミュニーケーションできるんじゃないかと思う。例えば、途上国に行くと、彼らは面白いくらいに僕らが欲してるストーリーを語ってくれる。ブルキナファソ(西アフリカ)にいた時、僕は「きっと貧しいんだろうな」という思いを胸に現地に行って、話した大学生は「うちの国は日本とは違ってこれこれが大変で、自分もこういうことをしたいと思ってる」といったことを語っていた。とりあえず途上国行ってみたい系安直男子だった自分は「ここの学生はこんなに貧しいのにこんなに頑張ってるんだ、自分も頑張らなくちゃ」と簡単にインスパイアされていた。そういう想いが結果としてポジティブな行動に繋がる事は多いし、別に悪いことではないと思う。けれど実際に一緒に過ごし彼の生活を見ていると、割と家は裕福(車はベンツ)だし勉学だってお世話にも真剣に取り組んでるとは言いがたかった。空いた時間にはサッカーするか、寝るか。別に彼が嘘を言っていたとは全く思わない。けれど、その発言の真剣さや重みってのは、自分が当初想定していたものとは違ったのかなと思う。そういうことがあって、喧嘩もしたり、批判も含め対等に?色々な話をしたことで彼とはもっと距離を縮めてコミュニーケーションがとれた気がする。

今回参加したサミットではアジア各国の意識の高い学生が沢山いて、自分で既に起業している人なんかもちらほらいた。起業!とかアイディアを聞くと「すげぇ!」と自動で思ってしまうのだけれど、上にも書いた様にそういった発言にどれほどの重みがあるのか読み取りづらいから、以前よりは冷めた目で見つめる様になった。参加者もある程度多くて1人と長い時間コミュニーケーションをとれるわけでもなかったので、そういう意味で外国からの参加者とは、日本人参加者と比べ密なコミュニーケーションがとれなかった部分もあるなと思う。割と外国人にもぐいぐい話しかけるタイプなので、その事実が少し寂しく感じた。言語的には何の問題もなくなっても、やはり異文化コミュニーケーションってのはむつかしいものだとしみじみ。知らずのうちにもラベリングに頼ってる自分の弱さもあるんだろうし、時間の問題もあるんだと思う。アメリカ、とか異なるバックグラウンドの人がごっちゃになってる社会ではどう捉えてるんだろう。

けれどまぁ、中韓以外のアジアの学生とはがっつり話したことがあまりなかったので今回こういう機会で意見を交わすことができて、その知見は広がったので良かった。旅したい、話したい、というのもこの文脈をより理解したいという思いから来てるのかもしれない。

 

・もっと根本的に社会貢献を

滞在中はスタンフォードの学生の部屋に泊めてもらっていたのだけれど、そのルームメイトからも刺激をもらった。彼はシンガポール人で(高校までシンガポール)、今スタンフォードの4年生でコンピューターサイエンス専攻の秀才。2年次にYahoo!でインターンして、オファーももらったけれど、広告をいじくりまわすことに社会的意義を見出だせず断ったそう。ちなみに米国西海岸のこういったYahooやGoogle、Amazonといった巨大テクノロジー企業では学生のインターンでも月50万円以上の給料がもらえ、3食無料、住宅補助付き、そして送迎のバスもある。「彼らは確かに人々の生活を便利にはしてはいるけれど、絶対なくては生きていないものではない。それよりはもっと切実に助けを必要としているところがあるはず」と語る彼は、現在はスタンフォードの教授と協働しながらグアテマラでのプロジェクトに取り組んでいる。グアテマラの様な途上国ではまだ先進国では治療可能な簡単な病気で死んでしまう人が多く、最終的には医者が必要でも、その前の診断などの段階では必要な道具があれば一般市民でも助けることができるそう。しかもその道具というのは結構安価で提供可能らしい。ということで、一般の人でもその通り指示に従えば初期の診断・治療が施せる様なアプリの開発を今やっているらしい。Social Entrepreneurというか、必ずしも大金を稼ぐことやGoogle等に入ることを目標にするのでなくこうしたことに関心を寄せるスタンフォードの学生は増えているらしい。

これが自分の行く道にどう影響を与えるかはまだ分からないけれど、たしかに生活をよりよくする、1を100へという分野だけでなく、マイナスをゼロ、そしてプラスにすることが求められる分野でもイノベーションはまだまだ起こせる余地があるなと刺激を受けた。

 

・実行!実行!実行!

起業家やVC、それからスタンフォードの学生と話す中で、それがシリコンバレーなのかスタンフォードなのか西海岸のなのかわからないけれど、アイディアそれ自体は必ずしも価値があるわけじゃなくとにかく実行に移すことが大切であるというカルチャーを強く感じた。未完成でもいいからプロダクトを出してみる。Twitterも考えてから作ったのは2週間##で、多くのソフトやサービスが何年というスパンでなく数週間、場合によっては数日というスピードでできているらしい。MBAとかを挟むよりも、自分の作りたいものをなるべく早く世に送り出している人がエライという様な風潮があって新鮮だった。細かいことだけどどの学生もメールの返信も反応も早く、とにかく何か思いついたら話す、連絡をとってみるというようなスピード感を強く感じた

 

・先生、プログラミングがしたいです..

今までプログラミングなんて遠い彼方のものとずっと思っていたけれど、スタンフォードにいる間話した学生は口を開けばCS(コンピューターサイエンス)専攻だと言っていて、皆プログラミングが出来る。スタートアップ、新しいサービスやソフトのことを話している人も多く、こんな環境に1週間もいると自分がプログラミングが出来てないことがとても大きな失態の様に思えてくる。まだ数年はIT・テクノロジー分野はホットなものであり続けるだろうし、プログラマーにはなれないにしても、概観というかさわりを理解しておく価値は大いにあるなと感じました。

 

#おわりに

ここまでお読み頂いた方も、さくさく飛ばした方もありがとうございます。このサミットの運営はスタンフォードの学生10人ほどでやってて、当日の運営だけでなくスピーカーの招聘から参加者募集、applicatoon formの作成、書類審査、面接まで全て自分らでやってたそう。特にサミット中の1週間、授業もあるなか8カ国からの参加者30名のマネジメントをしてトラブルにも臨機応変に対応してたのがすごかった。しかもほとんどが大学2年で19.20歳。スタンフォードの様な米国トップの大学の学生は皆頭が良いだけでなくバランスのとれた人が多く、感心させられてばかりの1週間でした。

このイベントは大学の派遣等でなく(てかもう卒業してしまった)、このASESという団体とパートナーシップを結んでいるBizJapanというを作った先輩の紹介で知り、応募して面接も受けて参加させてもらったんですが、費用を鑑みても参加してみてよかったなぁと思います。やはりアントレプレナーシップやスタートアップというものに心惹かれる自分を再確認できたし、中韓以外のアジアの知見も広がった。東海岸とはまた違った、西海岸やスタンフォード、そして学生の雰囲気にも触れられたし著名な起業家にも会えて刺激をもらいました。

案外こういうサミットや国際会議の様なイベントはちょくちょくあって、日本からもどしどし応募して面接なりなんなり受けてチャレンジしてみたらいいのでないかなと思います

 

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おーわり

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