もうちょいパリ

1, 6週間

(パリも週1らーめん)

パリに来て6週間。こっちで初のプロジェクトも無事終了。血液バッグな6週間でした。輸血用血液製剤に関わる製品の市場を評価する案件で、red crossとか聞くとドキがムネムネしちゃう系男子です。パリに来て1日目からアサインされたので、中々ためらうことも多かったけど、総じてやってることは東京と変わんなかったなという印象。ロンドンのチームもいたのもあり基本言語は英語だったし、リサーチしてインタビューしてエクセル叩いてスライド作ってという流れは一緒。

違ったのは、地理的なカバー範囲。東京では基本日本のマーケット見てたけど、こっちはカバー範囲がもっと広い。ヨーロッパ全域は勿論、時差的にアジアも(早朝)アメリカも(夕方)カバーできちゃう、かつパリピsは(最低)3言語は話すので、アジアやアメリカのオフィスの力借りずとも自前でいけ”ちゃう”(下っぱ的には嬉しいことではない)。自分も厚労省、ラリアの血液バンカーからインド人医師までおいっすしてました。あと東京と違ってノンアポで電話することが多い(cold call)のは慣れるのに少し時間かかったけれど、予想に反して、案外急に電話しても話してくれる人が多くて面白かった(特にインドとイタリア; ただしインドで音声がきちんと聞こえるのは10回に1回)。

(EURO2016開幕前夜、David Guetta無料ライブ。やたらフランス語上手いと思ったらフランス人なんすね、彼)

終えてみて感じたのは2つ; ゴリ押しでもstory作ることとca va?の重要性。

①1点目には関してはコンサル2年やってて今更かよ!という感じfullyなんだけど、情報収集マニアおじさんになったらいけないなということ。リサーチ+インタビューをしてくと、色々分かってくる一方で自分が知らないことの多さに途方に暮れる。これらも続けてると作業っぽくなってきてある意味思考停止してラクだから没頭してしまいがちなんだけど、同時に(かなりタイトな)〆切があって、気づけば「bonjour-進みどう?」「おうふボ、ボンジュ..」になり兼ねない。勿論基本のリサーチは大事なんだけど、数時間のリサーチと2-3のインタビューでざっくりつかんだら、つぎはぎでもいいからstory作って、スライドなりモデルなりの6-7割は完成させて、あと随時埋めてく感じじゃないと間に合わない。その点チームの後輩のピエール(仮)は仕事早いわイケメンだわ第3ボタン空いてるわですごかった。プロジェクト中盤なってくると大体業界のイメージが掴めてくるのもあり、新しい分野でもリサーチ0でスライド半分くらい書いちゃってそっからリサーチで埋めてくスタイルで、プレゼン前もきちんと彼女とのディナーに旅立ってた。惚れそう。

②あともう一つ、やはりコミュニケーションって大事だねってこと。パリは100人はいないけど、東京の3倍くらいのサイズでオフィスも大きいので、チームメンバーが結構(物理的に)遠かったりする。1日中顔合わせないこともあるし、まあ違う分野担当だったりするから全くコミュニケーションとらずとも仕事進むっちゃ進む。けど、お互いにシェアすると有益/効率良いことは意外と沢山ある。チャット飛ばしてもいいし、メールしてもいいし、電話してもいい。そして更に1on1で対面できちんと話すと、やっぱり良い。そんでその時に、Ca va?/How are you?から会話を始めること。日本語の場合は初めの一言は「お疲れ様です」だと思う。お疲れ様ですは一方的だけど、Ca va?/How are you?は疑問系なので、そこでワンクッション生まれる(と思う)。勿論お疲れ様です同様形式的なもので、「ca va? (いやお前がサバなのかどうかどうでもいいけど仕事終わってんのかよオイ)」オーラびんびんのサバもあるけど、やはりそこのワンクッションには意味があると自分は思う。人間同じことを言われるのでも、一方的に押し付けられるより、より双方向的な会話にてモノを言われる方がやる気が増す(くない?)。対面であれメッセージであれ、1on1での対話は東京にいた時も、仕事でも週末なんか企画する時も意識してたこと。短期的には時間かかって非効率なこともあるけど、やっぱコミュニケーション滑らかになると仕事頼みやすくなるし、頼まれやすくもなる。脱力して仕事進められることが増える。何より、楽しいと思う。サバ、週末何してたのから始まり、最近犬が体調悪いとか彼氏とのディナーがやたら良かったとか。仕事一緒にすすめるだけのマッチョ集団としてだけじゃなくて、より人間味のある個として見えてくると、まあこの仕事タイヘンなこともあるけどこの人(s)と頑張ろうと思えてくる。若手だったら大体似たような年頃だし、ひとつふたつポジション上の上司でも年齢幅+5くらい。数年前もし交換留学生だった時に出会ってたら、友達として、毎週共に酔いつぶれてたかもしれない。出会いのoccasionはある程度その後の関係性を規定するけれども、それに縛られ過ぎる必要はない。仕事、コンサルというもプロフェッショナル風なところで「たまたま」出会ったからと言って、あまり気張らなくても良いのかなと思う。勿論しめるとこはしめつつ。ある意味、留学も、旅行も、コンサルのプロジェクトも、友達を増やす良い場なんじゃないかという甘っちょろい仮説をまだ持ってます。そんなわけで、まずは挨拶から。そしてちょっと本気なca va(マジサバ?)を挟むことは良いベースになるなと改めて感じてます。

(日本人ラッパーKOHHに躍り狂うフランス人。パリは何かとイベントが多い)

2, フランスエリート、良き

1ヶ月余りの浅い印象だけど、フランスはかなりのエリート社会だと思う。どこの大学に行ったのかというのはかなり重要で、コンサルや投資銀行はグランゼコールと呼ばれるエリート校の中の、top3/5のビジネススクールorエンジニアリングスクール出身で無いとまず入れないと聞くし(日本もあるけど、より極端)、大企業では出身校によって給料体系が変わるとも聞いた。2時間ランチして17時きっかりに帰る、なんてことは少なくともコンサルや投資銀行では無くて、皆よく働いている(たまに週末も..)。ランチは30分で済ませ深夜まで働いてる人を見るのも珍しくない(注: フランスでも全く一般的ではないと思うけれど)。グランゼコール入るにはリ準備校に高校卒業後に2年いる必要があり、その2年間はパーティもせずひたすら勉強の日々だそう(公立の駿台的な)。日本と違って3回までしか試験を受けられないという制約もあり、ダメだといくら勉強してても高校卒業後にスルッと入れるuniversity(普通の大学)に行くしかないので、皆必死。少なくともエリートの中には、”work hard”の概念が染み付いてる感じがする。あと、少なくとも自分の同僚は、英語を話せないとという意識が強く、かつフランス人ということでビハインドがあると感じている人が多い。ので普通に皆ペラペラだけど、ある種の謙虚感?のようなものがあり、非ネイティブとしてはとてもやりやすい。あと皆仕事に対して真面目なので好感が持てる。

(@革命記念日。日常的にいるわけではない)

 

3, 働く=住む

留学もそうだけど、一定期間働くってことは住むということ。学生の時はなんだかんだいってイベントが沢山あるし、友達欲しいぜ人材も多いから割りとラク。例えば今いるパリ支社だと、半分くらいはパリ生まれパリ育ちのピュアパリピのワンダーランドだから、彼らにとっちゃ特に同僚とそんなにgoing outするインセンティブはさしてないわけで。別にそれはフレンドリーだそうでないということでないと思う、てか結構皆フレンドリー。自分に置き換えて見ても、日本で、周りの一定期間日本に滞在する外国人の友達に、1回は会うんだけどその後ごく積極的に声かけてたかなと考えると必ずしもそうでもなかったかな~~と思う。これは中々難しくて、じゃあ日本に戻ったら今まで以上に積極的にそういういところに目を向けるかと言われれば多分そうなのだけど、でもやっぱどこの輪にも呼ぶというのは難しいし、別にそれを期待されてるわけでもないかもしれない。結局「ガイジン」としてその地にある程度長い期間住むのは、中々大変だなあと。日本とかフランスは言語的障壁が比較的高いから特にそう思うのかもしれないけど、誰だって自分の母国orホームとなる地にいる知り合いが一番多いはず。異国に行くと確実に友達、知ってるコミュニティの絶対数は減る。まぁ自分の様に2ヶ月くらいならシャンゼリゼ~ぽぽぽーんで2ヶ月パリっと過ぎるけど、半年・1年とか、数年とか。そういうスパンになってくると、やっぱりコミュニティ見つけてく、作ってくのは結構エネルギー要りそう。まぁ仕事だからしゃーなしと言っちゃえばそれまでなんだろうし、あとパートナーが一緒にいるとまた変わってくるのかなとは思う。あと、日系大手の駐在だと既にコミュニティがあったりするのかも?この、アウェイに突っ込まれて”あ、ウェイ”、そしてウェイ!になってくプロセスはrefreshingでなんともクセになります。

(ポルトガルに行きました)

 

パリも残すところあと1週間!ほんで1週間セネガルです。

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