所感
久しぶりに書いた
- 2023/11/13に東京からカナダのバンクーバーへ移住した。9月〜出国までの2ヶ月半はかなりバタバタしていて全然書く時間がとれなかった。出国に向けての準備、仕事(10月末まで)、引っ越し等々。飲み会が数日を除いてほぼ毎日あったのも大きい
- 厳密に言えば仕事始める前の朝の時間とか、週末の日中とか、時間がなかったわけではない。が、立ち止まる時間がなく全然書こうという気持ちにならなかった。まあそうした平日の朝や週末の日中の時間に占める二日酔いの時間の割合が多かったことも普通にあると思う。ということで今回は日本を出国するまでの2ヶ月ちょいの振り返りとして書きたい
過去の仕事の答え合わせ(アメリカxうどん)
- 10月に以前働いていたうどんの会社を訪問した。社長にメールして、アポをとり会いに行った。前からそうだが、まじでどこの誰よりも返信が早くてすごいなと思う(10分くらい?)。仕事のよしあしには色々な尺度があるけれど、レスの速さは正義だなと個人的には思う(溜まってる連絡あったらゴメンナサイ)
- 海外に行くので挨拶させてください〜という前書きはあったが、個人的には、過去の仕事の答え合わせがしたいという割とクリアな目的があった。うどんカンパニーでは3年間仕事をさせてもらっていたが、その中で主にやってきたことの一つがアメリカにおける子会社の現地化だった。当時ハワイで繁盛してた店に加えてアメリカ本土に進出しかけたいたところだったが、社長は「300店舗やりたいんや」と言っていた。50店舗くらいであれば東西両海岸(カリフォルニア+ニューヨーク等)のみでいけるかもしれないが、300店舗ならより中に入っていかないといけない(それこそred stateと言われる日本にはあまり馴染みのない場所へも)という考えから、元々100%直営で運営していたアメリカの法人を、一部現地企業(PE)と組んで合弁化した。経営陣の顔ぶれもガラッと変わった。テキサスに出店した。店のデザインもあえて日本人から見ると「これ日本ちゃうよな・・」と思うような”アメリカから見た”Japaneseなデザインになった。
Marugame Udon
Born in Japan, Marugame Udon holds true to the authentic tradition of noodle making and its origins which started centuries ago in the Kagawa Prefecture in the southern part of Japan.
- 外食業界の面白さは、お客様からのフィードバックがすぐ返ってくることである。うまい/まずい、対応が満足/不満、といったことがすぐ返ってくる。お客様皆が発言したりレビューを書く訳では無いが、表情で見れる部分もある(自分がToCが好きだなと実感した理由でもある)。他方で、ECとは違い物理的な店舗の建設があるので出店までが時間がかかる。上記のように仕込んだ店舗は、私が辞めるまでにはオープンが叶わなかった(コロナの影響もある)。なので、実体験としては結局構想がどうだったのかがよくわからなかった。なので聞きにいった。
- 結果。社長も細部まで認識しているわけではないし、もちろん数字を聞いたわけではない。ただ、まさに自分が関わっていた「テキサス出店や経営体制の変更という取り組みはどうだったのか」という問いに対しては、「どちらかといえば失敗。ただそこから得て今に繋がっているものもある」が現時点の答えだと理解した(※原文ママのコメントでなく、あくまで私の理解)。テキサスには2店舗出したが1店舗は既に閉店、今後の出店予定は今のところなく、元々出していたカリフォルニアに今は集中。当時起用した経営メンバーも既に入れ替わっている人もいるので、経営体制の変更がすべて良かったわけではない。一方、今のリーダーは当時の文脈・ネットワークから繋がった人だったり、店舗デザインも今のところは踏襲しているようで、そして事業もコロナを経て上向きそうだった
- 「あの時やったことがあるから今はこんだけ伸びたよ!」となったら聞こえがいいが、まだ現時点では、客観的に言ってそう言い切れる状況ではない(社外にいても概形は掴めるのでサプライズではなかった)。当時の取り組みはかなり負荷の高い業務(1年半つきっきり)だったし、自分が関わっていたからこそ進んだ(まじで2回くらい頓挫しかけた)という自負もある。でも、その熱量はさておき結果は後からついてきて、その解釈は良い方向にも悪い方向にも今後変化しうるのだと思う。個人的には、当時の取り組みを行う前の現状維持と比較すれば、コストも相応にかかったが変化を起こすきっかけにはなり一定なポジティブな影響も生んだかなと認識した
- 私の学びは2つ。
- 事業は生き物なので、ある時点でのアクションとある時点での結果を結びつけて評価するのは難しい。経営者としてもそんな1個1個見てないし、流れの中で見ている。ドライに言えば、あの人が良かった悪かったみたいなのはそんな気にしてない
- とは言えその流れの中で個人やそこから波及した動きが事業に影響を与えることはあるので、結果が出るのが先でも眼の前の取り組みに手を抜くべきでない(小並感)。個人としても、手抜いているとPDCA(=結果の評価と振り返り)は回りにくいと思う。ただその取り組みの結果はかなり先で影響を及ぼすかもしれないし、そもそも何の影響も及ぼさないかもしれないことを心得る
うまい鮨をたくさん食べた(そして魚の仕入れについて)
- 9-10月はうまい鮨をたくさん食べた。先にカナダに移っていた妻の申し送り事項として、「鮨は食えるだけ食っとけ」があったのが大きい。上司や先輩に何食いたい?と言われると全部鮨と答えてた。近所の1,000円寿司ランチからザギンのシースーまで色々な鮨を堪能した
- SUSHI – これだけどこの国に行っても通じる日本の言葉も珍しい。昔から鮨は好きなのだが、鮨は100円鮨から数万円の鮨まで幅が大きいなァとずっと思っていた。数万払うと量がドンっと増えるわけでもないし、この差分は何から生まれるのだろうと不思議に思っていた。一度妻と、数千円〜数万円の幅の鮨を色々食べてみて、何が違うかを素人なりに体験してみようとしたことがある。その時の(あくまで個人的な)所感と結論としては、
- (a) 100円鮨 / 5,000-15,000円 / 20,000-30,000+ のセグメントではそれぞれ違いを感じる。逆に5,000円と10,000円強の違いを私達はわからなかった
- (b) まだ量も食べたい年頃なので、100円鮨との違いは感じつつほどよく贅沢をい感じる5,000円くらいの鮨に落ち着いた。具体的には、ちょっとめでたい日には「すし好」という業態に行くことが増えた、だった。
- 外食業界をかじっていた自分がずっと気になっていたのは、素人目から見ると鮨や焼肉は間の調理工程よりも原材料の質の高さが重要そうに見える。つまり仕入れが重要であれば、購買力のある大きな事業体すなわちチェーンの方がより良いものを出せるのでは?ということだった。ただ周りも自分の実感としても、依然として有名な鮨屋といえばチェーン店ではなく個人店だし、チェーン店で驚いたことはそんなになかった(すし好は好きだけど)
- これについて、この数ヶ月素人なりに食べ、そして詳しい人に話を聞いたことで「なるほど」と思ったことがあったので徒然に書きたい。なお自分は美食家からは程遠いし、鮨についても語れるほど高級寿司も食べてない(数えられる)。あくまでいち鮨好きの素朴な疑問の解消くらいと思っていただきたい(むしろ教えてください)
- 1/寿司屋で食べる殆どの魚は天然魚で、養殖でまかなわれてない: 日本の寿司屋はとにかく種類が多い。海外(欧米)の寿司屋は、すごい雑に言えばマグロ、サーモン、ついでアボガドって感じ。ブリは10数年前に?養殖が運用されるようになったらしいが、寿司の魚の多くが天然。天然なので、漁獲量は究極的にコントロールできないし、質にも波が生まれる。近大マグロが話題になったが、魚の養殖はそもそも難易度が高いようだが、技術が究極のボトルネックというよりも、そもそも魚の種別別に含まれるタンパク質の量とその生成(=養殖)にかかるコストが結構定量化されていて、そのROIというかコスパが見合うものがあまりないそう(魚の仕入れに詳しい前職の同僚談)。逆に、ブリなんかは一度経済性が回るようになったらどんどん養殖が広がったらしいので、今後も技術のコストがあがれば種類は広がるのかもしれない。いずれにせよ、毎年の気候によっても漁獲量や質が変動することは前述のような大きなボリュームを買う買い手(チェーン店等)にとっては難しいだろうということが予想がつく。また、最近は気候変動の影響でとれる魚も変わってきてるらしい。今年の夏に訪れた北海道の利尻島でも、天然昆布が10年後も同様に獲れるかはわからない、逆に最近は日本の南で獲れてた魚が獲れたりするという話を聞いた。そういう意味でも仕入れの不確実性が大きく難しい材料である。こういう素晴らしい事業がぜひ伸びて欲しい
ウミトロン -持続可能な水産養殖を地球に実装する-
ウミトロンは、「持続可能な水産養殖を地球に実装する」ことをミッションとした、水産養殖×テクノロジーに取り組むスタートアップです。IoT、衛星リモートセンシング、機械学習をはじめとした技術を用い、海の持続可能な開発と魚の安全・安定供給を実現します。
- 2/大手チェーンと天然魚の仕入れはボリュームが合わない: 前述の天然vs養殖の話とも繋がるが、養殖は工場のように、生産計画が立てやすいし規模の経済が効く。他方で天然魚は漁師がとっているので、大手チェーンが大量に買おうとして、仮に札束を積んだとしても、量を出すことができない。供給側と需要側でのボリュームが合わないのである。前述の知人の話では、チェーン店は10店舗を超えると一気に品質を担保するのが難しくなるらしい。チェーン店より個人店が好き、というよりはボリュームの問題のようだ
- 3/カウンターのショーは素晴らしい。わけがわかるともっといい: これはチェーン店がなぜ優位性を出せないのかという話よりはそもそも数万円という、食事の中でもかなりの額を払うのかについて個人的な所感。お世辞にも舌が肥えているとは言えないものの、この数ヶ月で食べた寿司はすべてとても美味しかった。そして、改めてカウンターに座って思ったが、職人の包丁さばきや手つきは本当に見事だ。それ自体も見ていて飽きないし、使っている包丁の解説(イカが美味しくなるイカ専用の包丁があったり)、仕入れや魚のしめかたについての話など、美味しいものを淡々と食べるだけでなく、ショーとしてエンタメ要素もある。派手な一過性のものというだけでなく、例えば18時の営業のため日中ずっと仕込みをしている等、そこに繋がるプロセスについても聞くことができるのはとても興味深い。今年になって欧米から日本に旅行に来た友人が結構多かったのだが、皆一度はカウンターの寿司を食べていて、皆(ウニ以外は)最高だったと言っていた。カウンターのショーは言語が分からずとも体感できるが、背景も含めてわかるともっと立体的にSUSHI体験ができるんだろうなと思った。この数ヶ月で食べた寿司はどれも素晴らしかったが、愛媛で食べた寿司が本当にベリー素晴らしかったので激推ししたい(語彙)
沖縄の結婚式にいった
- 10月末に友人の結婚式で沖縄に1週間強いった。旦那さんが元々の友人、奥さんはヨーロッパの方だった。彼らは今沖縄に住んでいるが、その前はパリに住んでいたので、移住の先輩(?)としても色々と話すよい機会だった
- 彼らも仕事の機会があって1年前に(割と突然)パリから沖縄に引っ越してきたわけだが、最初はそもそも自分たちが馴染むのか心配だったという。でも蓋をあけてみると、沖縄が大好きになり、そして2日間にわたった結婚式も三線や舞踊、空手、沖縄料理といったように沖縄づくしの素晴らしい式だった。元々の日本そして沖縄への関心もありつつ、住んだからこそ、というのも活かしてローカルなものに触れて続けてみること(無理する必要はないと思うが)は良いトライだなと感じた
- 式は日本(沖縄)だったものの、海外からのゲストが殆どで、言語もフランス語>英語>>>>日本語くらいだったので自分もびっくりの日本でのマイノリティ体験だったのだが、ヨーロッパの人だけど北米に住んでるとか、アメリカ人だけどヨーロッパに住んでるとか、「おー君もカナダいくの?ええやん!」って感じのテンションの人も多くて、自分にとって良いトランジションになった
1ヶ月の時間の使い方
10月 | 9月 | 8月 | ||
---|---|---|---|---|
飲み会 | 33 | 15 | 7 | |
運動 | 2 | 4 | 7 |
- 飲み会: 9-10月はとにかく日々飲み会をしていた。10月は特に、1日を除いて毎日飲み会をしていた。週末は昼飲んで夜飲むみたいなこともあったので1日に2回みたいな日もあった。日々飲んでいて体調を崩さないか?と言われることも多かったが、日々飲んでるのでアルコール耐性も過去イチになったのではないかという気もしており、かつ二日酔い対策に何が良いかの研究もかなり進んだ。1日体調崩した日があったが、ほかは割りと元気だった(二日酔いはめっちゃあった)。1回あたり普通に平均2.5次会くらいはいってたので10月の飲み会費は過去最高額だった。まあでもめちゃくちゃ高いご飯を食べることは少ないので、逆に最大でこのくらいの額なのだなとも思った。友達の家に居候させてもらっていたこともあり(大感謝)、全体の支出もコントロール下だったように思う
- 運動: 全体としては想定通り全然できなかったが、9月はやたら試合に出た(バスケ、サッカー、野球)。なんか30歳を超えてからなぜか球技の大会に出ることが増えたが、素直にスポーツが以前より好きになったように思う。試合は仕事とは違って(仕事よりも?)単位時間あたりの緊張感が高く、定期的に触れていると健全だなと感じる。そして種目が変わっても、割と共通するプレースタイルがある(フィジカルでゴリ押しして点とる..)ので興味深いなと思う。なお普通に接種する食事や飲料に対して明らかに運動量が足りてないので、出国前は常に顔が膨らんでるねと言われてた(太ったというか、二日酔いのむくみが一生続いていたのだと思う)
- その他: 2年間習ってたピアノの発表会があった(藤井風のきらり、を弾いた)。ピアノは小さいときは嫌で嫌でたまらなかったけど、大人になって自分のお金で勝手にやる分には、そんな怒られることもないし、好きな曲できるし、実はちゃんとしてる人と勘違いしてもらえるなどの棚ぼたもあって、よいトライだったと思う。入ってから結果的に知ったが、年に1回発表会が開催されるのも良いリズムだった(アウトプットの場がある方が熱が入る)。球技の試合と一緒だと思う。オンラインや独学だと自分は続かない気がするのでこっち🇨🇦でもやるかはまだわからないけれど、選択肢としては検討していきたいと思う
読んだ本・買った本
今月のベスト
元NEWSの加藤シゲアキさんが書いていて、いくつか著作を読んだことがあった。個人的に多才(とくに離れていることほどよい)な人に惹かれるのと、世界観をつくる小説家ってのはすげえなァと日々思っているので手にとって読んだ。分量的にヘビーめではあるが、過去の事実(秋田の油田開発)を踏まえつつの、事象の詳細な描写が良かった。以前読んだ小説はホストについてだったが、せれも描写が詳細なのだが(自分もホストクラブが何たるかよくわかってないが)「想像しながら書いた」ってのがすごいなと思った。
観て/聴いて印象に残ったもの
Podcastやストーリーではないのだが、加齢対策?として定期的にspotifyの”teen culture”といった若い世代のプレイリストを回遊して気に入ったものを仕入れる動きをしているのだが、その中で耳に残って離れないシリーズを投下しておきます..
買ってよかったもの
- いつぞやどこかで書いた気もするが、ちょっと良い爪切りを買うことをおすすめしたい。自分もずっと100円ショップかなんかのを使ってたのだが、1,000円の爪切りは切れ味が全然違う。爪切りって実は週に1回くらい5分くらいかける所作なので、何気によく使うツールなのであるが、特に注意を払わない人が多いと思う。たった1,000円を一度払うだけで、週に1度「はぁ・・」という感覚に到れるのであれば非常にコスパが良いのではなかろうか?
- 結構何度も熱弁しているが周りの友人でコンバージョンした人があまりいないので、われこそはという人はぜひ意見を聞かせて欲しい。そして私からなにかの拍子に爪切りをもらったとしても、怪訝な顔をせず、少なくとも表面上は喜んでほしい
今月の5枚+α
コメントを残す