全肯定の呼吸

大学生の後半から今に至るくらいまで、ちょくちょく相談を受けることがあった。留学、仕事、家電、その時々によって種類は様々だなあと思うけど、何がベストかなあと思案しているのトピックがある。それがキャリアについての相談だ

例えば家電についてとか、旅行先のおすすめとか、そういうものであれば結構ニーズに合わせて、これまでの比較検討に基づいたある程度の最適解が提供できる。勿論クックフォーミーを買う人もいればホットクックを買う人もいて、どちらが正解ということはない(※私はホットクック全振り派)。けど、機能や用途で割と表にまとめられるというか、設定した軸に対しての横比較ができる

また、例えば留学の相談とかでも、行く・行かないやどこへ行くか、みたいな話であれば自分自身も複数回行ってたり、○○の国であればXXが行ってたなみたいなのがあるので、ある程度行くことによるメリットデメリットを提示できる気がする

一方で、キャリアの相談は、自分自身が経験してきたこと(経営コンサルとか、うどん屋とか)がダイレクトに関わるのであれば、おそらくかなりリアリティのある回答ができるが、コンサルでも会計系とか人事系とか、そば屋とかなると、よくわからなくなってくる。同じ会社でも、入る時期や部署によって結構経験する内容は変わってくることもあるから、2-3年やるとこんな感じになるよみたいなのも、入ってみたら全然ちゃうかったーみたいなのはありうる。要は、変数が多いのだ

とはいえ、せっかく相談をされているからには真剣に考えたいし、含蓄に富んだシャープな提言もしたい。「あの人のお陰で今があります」級のバズーカ砲をなんなら週次で打てるようになりたい。「それは直接経験してないから、よくわからん」というのは思考停止だと思うから、経験+ちょっと調べる+想像でなにかしら打ち返そうとする。そうすると、ほっとくと、結果として割合criticalな回答になることが多い。「XXXと言ってるけど、ここも検討してるの?調べてみた?」「YYYだからZZZと言ってるけど、それってちょっと飛躍してない?」「要点3つくらいにまとめt(ry」。カフェの温度は高いのに、相手の顔の温度が心なしか2℃くらい下がってるように見える。またやっちまった

往々にして、悩みというのは(自身を含め)ふわっとしているものだし、そんな5枚のスライドのExecutive summaryなんか用意してない。特に近しいとか、身内ほど顕著になり、真剣に考えてるし、自分にも間接的に関わりがあるから無責任なことを言えないなという想いもあり、結局ガン詰めしてしまっていたことが恥ずかしながら何度もある。自分の発言によって相手の行動を変えられるのでないかという奢りもあると思う

最近、人には3タイプの基本スタンスの人がいるなと思う。肯定する人、疑問を投げかける人、そして否定する人。勿論肯定しながら疑問を投げかけることもよくあるだろうから、ブレンドにはなるが、基本スタンスがどれかというのは分類できる(気がする)。完全に肌感だが、比率としては2:7:1くらい。否定し続ける批評家みたいな人は周りにはあまりいないけど、人種としては存在する。多くの人が疑問を投げかけるタイプだと思う。よくわからない、みたいなのもここに入る。 自身も結構疑問を投げかけるタイプ。問いを投げかけることがその人にとって良いことだと思ったし、なるべく色々な角度から投げかけるのが良いと考えてきた。でも最近、「基本全肯定でいいんじゃないか」という考えになってきた

思い出すことがある。組織改編により部署が変わり、上司の上司が変わった際に、当初タイプが全然違った(振り返ると意外と近かったのだけど)ことで、あまり信頼を得られておらず、何をしてもマイナスOR疑問の視点から見られることがあった。価値が出ればええねん!とそこまで悩むほどではないし、大体寝たら解決するからそんな気にはならなかった。でも、やはり目の前真剣に取り組んでることに対して、同じラインにいる人が懐疑的に見てる状況というのは、素直にしんどいなと感じた。そのときに、自分自身も近しい人からの相談で、同じスタンスを(上司部下とかの関係ではないからそんな影響度ないとは思うが)とってしまってたなと思うことがあった。良かれというか、これはこうすべきという考えを持ってコメント・アドバイスをしていたつもりだったけど、どっちにしろ本人がそれに取り組んでいるのだとしたら、それを遠いところで懐疑的に見ている人が(近しい人の中で)いるのはこれしんどいな、と

そういうこともあって、全肯定のスタンスで良いんじゃないかと。事情とか思考のプロセスとかも聞くけど、基本は「それ、ええやん!」。重要度の高い相談(転職とか、住む場所変えるとか)になるとまあ色々な人に相談していることが常だし、その中で意識無意識に関わらず取捨選択して意思決定をしていくはず。自分はバズーカ砲打ったつもりでも、相手にとってはそよ風だったこともあるだろう。逆もしかり。まぁ自分はいつもバズーカ狙ってるから、バズーカか、それ以外か、なのだけど(何)。

きっと色々なスタンスの人がいるはずだから、自分はまあ全肯定でいいんじゃないかと。それやったことないし、よくわかんないこともあるけど、面白そうやしええやん!と。もう少し調べてもいいのでは〜と言うこともあるだろうけど、真剣な悩みだったらもうある程度調べてるだろうし、本人にとっちゃ「うっせぇわ」だろう。相談する内容の経験をしてなくても、結構的を得たcriticalなことを言う賢い人というのはいて、すげーと思うし、自分もそういう友人にも相談をする。でも自身の役割としては、内容が「ちょっと来週脱税しようと思うんだけど、どう思う?」とかでない限り、全肯定かなと

そういうことで、全肯定の呼吸を身につけるべく素振りに励もうと思う今日この頃。まずは、スクールにいっても相変わらず相手のコートにあんま入らんバックハンドから始めます

 

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