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最高の3年間でした。

3年間お世話になったうどん屋を卒業し、来月から次のステップに進むことになりました。色々あったけど、最高の3年間でした。良くも悪くも思っていたことと違うことはあったし、なにくそ!と思うこともあった。でも、総じて、コンサル(提案)→事業会社(実行)に移ることで深まった領域と、あとは当時は思っていなかった方向性に知見と興味が芽生た、3年間でした。

3年前の答え合わせ

ちょうど3年(と1ヶ月)前に書いた記事を見ながら、今の時点でのコメント、答え合わせをしていこうと思います。↓を参照しながら(引用するためやや長くなります。さくっと読み流して頂けますと)

外コンわず、うどん屋なう

1、ほっとくと絵に描いた餅。8割の泥臭さ必須。でも絵も大事

実行への関心
コンサルとして色んな業界の構造をガリガリ調べて考えて提案するのは知的好奇心を刺激+適度にアドレナリン出て楽しいけど、提案の先の実行に携わってみたいなと。加えて、偏見を恐れずに言えば、コンサルは割とノリとかテンションをworkに載せにくいタイプの仕事。どっちか言うとノリで動く企業のためにロジック作ってあげたり、「ちょまてや」と伝える仕事だから。受け売りだけど、コンサルは答えのないテストをずっと解いてる感じはあって、綺麗な戦略もいつ/どう動かすか(あと普通に運も)による部分多いと思う。テンションあげて実行の部分やって、結果まで見て、PDCA(コンサルっぽい!)回していきたいと思った。

2、日本流でも欧米流でもなんでもええから価値を出す

ほどよい「日本流」とは
コンサルで(日本企業→海外企業の)M&Aのデューデリや買収後の戦略に携わったり、周りの友人の話を聞いていて感じるのは、海外企業を(日本企業の)本体に組み込む時のやり方が極端だなーということ。一つは、オペレーションや仕事の進め方でガチガチの日本流を押し出して(よくある例:日本から全部経営層送ってガチガチに固めちゃう、後はアフリカの子会社にもタクシーレシートの提出を義務付けるとかも聞いた…)、現地の人や組織が疲弊する。もう一方は、とりあえず買ったけど完全放置で、現地企業が言うこと聞いてくれなくなるパターン。勿論これらが機能するときはある。けれど、そうじゃない時に、その間の、もっとleanなやり方ってあるんじゃないかと。誤解を恐れず話を拡大すれば、「日本流日本流」と言うけれども、何をもって”日本流”なんだろうと。食の輸出ひとつとってみてもそうだし、組織のシステムもそう。完全日本流でもなく、完全現地流でもなく、そこが混ざりあったような食**や組織。そういうものは何なんだろうかということを色々試行錯誤しながら考えたいなと思ってます。

→ これは、M&Aならびに事業運営に関わる中で、日々考えさせられることでした。この会社をうちの会社が、日本の会社が持つことでの便益は何なのか?投資先からの学びや金銭的リターンもそうだけど、投資/買収したことによる自社→投資先へのシナジーは何なのか?3年間という時間は長くも、まだこの壮大な問い(s)に対しての結論を出すには短かった。ぶっちゃけ入った時に、「これがうちのPMI*の方程式です」というのはなかったし、模索しながらやるトライ・アンド・エラーの3年間だった。形式知化に取り組んでるけど、やっぱでも「これが答えです!」とは言えない。現時点での所感を無理やりまとめるとすれば、「①基本的に現地のマネジメントに任せるのが良い、②でもガバナンスめっちゃ大事。③あとやっぱギブ&テイクです」。

*PMI=Post merger integration、M&A(合併・買収)後の統合プロセス。事業の改善のための所作

  1. マネジメント: 業界ならびに対象会社のステージによって違うのでなんとも言えないけど、日本企業→海外企業の投資/買収ということでは、基本的にマネジメント(=社長並びに主要な経営陣)はやっぱり現地の人のほうが良い。餅は餅屋。展開・成長を目指しているのであればなおさら土地勘とネットワークのある現地の人が良い。
    1.  これはベースとして、特にB2Cであればやっぱりその国で育って、その国の文化や人が考えていることの理解がある方が良いということがあって、加えて、現地の「インサイダー」となれる確度が上がること
    2. 良い投資案件にたどり着くにも、店に来てくださるお客様の心に入り込むにも、やはりインターフェースをなるべくなるべく現地にあわせていった方が入っていける(確率が高い)。アメリカはオープンな国だけど、思想・人種・地域、やっぱり壁はある。基本的に現地の知見が豊富な人員に事業を切り開いていってもらうのが一番だと思う
  2. ガバナンス: ガバナンスというのは基本的にはストッパー的な文脈で語られることが多い。雇い入れたマネジメントが期待する働きをしているのかを取締役会並びに経営会議にてモニタリングする、経費の使用は適正かチェックする 等々。そうしたモニタリング・チェックという文脈は大事なのだけれど、一方で、ここまでは現地の自由に意思決定していいよ(=ある意味でリスクフリーで意思決定をして良い)という塩梅の設定でもある
    1. ①にて書いた、現地に任せるという文脈において、そのバランスをとるのが必要。ケース・バイ・ケースなことは多いし、会社の成長やステージによっても適切なあり方は変わってくる。重要なのは、日本側の意思決定者が現地への理解が深くないのであれば、どこまでは許容できてどこはできないのかを間にはいる人が読み解き、どういった時間軸にて許容をしていくかの青写真を描き、現地とコミュニケーションをとること。現地にとってもこちらにとっても、日系企業とアメリカ企業の協働というのは米国内同士に比べそんなに頻繁にあることではないから、対話が大切。
    2. M&Aや海外企業との協働に慣れていなくて、序盤はXXに関しては許容できなとか、こちらのチェックを挟んでほしいというのを初めに伝えるのは(たとえそれが短期的には現地のオペレーションの負担になったとしても)大切だし、黙って見ていてあとで全部ひっくり返すよりよっぽどよい(邪推もあるが、日本企業はこういうパターンが多い気がする)。そして現地の人だからXXとか日本人だからYYということはなくて、私個人の経験では経費の使用に疑義が生じるとか、意思決定が不明瞭ということは現地の人でも派遣された日本人でも等しく起こっていた。むしろ、アメリカ人の方がBoard(取締役会)を通したガバナンスや株主といったものへの配慮とリスペクトがあるように感じた
    3. 関係性は発展するものでもあるので、最初は現地のマネジメントに不安を感じていても、それが信頼に変わるということは十二分にありうる。どうしても相手の言語やニュアンスを理解できないで(社)内部を話をすすめると、疑義が疑義を生み、極端にになってしまいがち。初期にそれを察知し(例えば月次や隔週の会議にて)、必要であれば現地側を牽制するし、でもやっぱり基本路線としては現地が主導して意思決定ができるように、場合によっては「ここは任せると決めましたよね」とリマインドしながら現地側へのスペースも確保する。あくまで、現地側の暴走を抑える、ということよりも、現地側の主体的な事業推進を健全にサポートする気概とマインドが大切と思う
  3. ギブ&テイク: 往々にして、海外企業の買収において、それが人材であれノウハウであれ収益源であれ、「買収主体が」何を得られるか?ということに議論が集中しがちと思う。企業買収において、基本的には現状よりも成長する期待にプレミアムを上乗せて対価(現金または株式等)を払い企業を買収する。お金を出す買い手は、「こっちが(巨額の)お金を出しているから」という思いもあり、とかく親会社>>子会社みたいな構図が生まれやすい。けれど、本来的には、前述の「成長する期待」に対してプレミアムを払ってるわけだから、対象企業が成長しないと元も子もない(できないと価値を下方修正=減損する必要も出てくる)
    1. 自社が支払った対価を正当化するためにも、対象企業がどうやったら伸びるか?ということを全力で考えなくてはいけない。対象企業から人材もノウハウも収益源も得たらいい。ただ、同じ熱量で、「当社が株主/オーナーになる意義は何なのか?何が提供できるのか?」ということを謙虚に考える必要があると思う
    2. もし、自身が所有するよりも他のオーナーがいた方が企業/事業の本質的価値が上がりうるのであれば、第三者へ譲渡することも考えるべきかもしれない。正直言って、海外の会社が(日本企業に限らず)例えばアメリカの会社を買収する時に、提供できる価値というのはそれほど多くない。言語の壁は随所にあるから人もマニュアルも横展開できるわけではないし、立地要件も法律も違う。買収側の方が大きな会社のことが多いから、色々なシステムは整っているかもしれない。そこは余すことなくノウハウを共有すべきと思うけど、本質的に日系企業だからできるというものでもない
    3. 一般論的に日系企業が海外の(特に欧米の)企業を買収する際に提供できるものは、利率の低いデットへのアクセス、つまり安く借金できることくらいなんじゃないかと思うこともあった。ソフトバンクの孫さんは「シナジーなんてない」と言い放つ。買収前には、自社の何は対象企業に何が提供できそうか徹底的に考えるべきだし、買収後は、その仮説が合ってたとしてもそうでなくとも、自身がテイクするだけでなく、何がギブできるのかを徹底的に考え続ける。それが日本の会社だから、ということでもないのかもしれないが、株主という、客観的な立場だからこそ見えること、提起できることはあるのでないかと私は信じている。

こうして書いてみると、「日本流」というのが何なのかはまだよく見えてないように感じる。むしろ、何流でもええけど価値を出すんや!という意気込み(精神論っぽくなってしまうが…)の方が大事かもしれない

3、グローバル力は大事だけど、組織にて活かすのは意外と難しいかも

「グローバル力」、有用なんじゃない?
個人的には、これから海外に出ていこうという企業や、または例えば旅行業界のように海外からのインバウンド客との関わりが重要な企業にとって、高い語学力や異文化への寛容性、現地の現場理解に努める姿勢(長いので、ひっくるめて仮に”グローバル力”とでも呼んどく)は、論理的思考力や人柄?といたことと同列で必要不可欠、かつ有用と思っている。けれど、日本企業の間ではまだ”グローバル力”はまだ主要件と思われていないのが現状と感じた。

その原因は、

  1. 海外進出や海外からの需要に応えていくにあたり、”グローバル力”は別にそんな有用じゃない(他の採用要件とくらべて)
  2. “グローバル力”のある人材が持ち込みうる価値がまだ実感値として感じていない
  3. そもそも語学力に関しては、テストできる人もいない

3は事実としてあるとして、1か2か。個人的には2でないかなとは思ってる。例えば旅行業界の例で言えば、おそらく、「グローバル人材ほしいyo」と発信してる「事業開発部」だったり「経営企画室」。それを取り仕切っているのは生え抜きの社員の方(現状”グローバル力”低めがち)or 元大手外コンのマネージャー(必ずしも”グローバル力”高くはない; というか英語とか全く使わん外コンも結構多いyo)とか。こういった方々が仕切る採用現場では、ロジカルに考えられるかとか頭ちゃんと使う体力あるかとか、あと人柄とか見て、最期に「そういやyou”グローバル力ある?ない?まぁ(共に)頑張ってこうかー」あたりが落とし所。実感あと1−2年はこのままいけるのかも(=”グローバル力”つける時間あるかもne)

以上の話は自身の経験もあるが周りの友人知人と話していて気づいたことをまとめたもので、未経験の業界にちょっと異質な経歴で入った自身の経験からすると、98%はwelcomeに受け入れて頂いたなと感じる。今思うと失礼な発言をしていたなと恥ずかしくなることもあるが、それも「若いから」ということもありおおらかに受け入れてもらったケースの方が大多数だった。コンサル時代はそこまで深く事業会社の内部に入ることはなかったけれど、(中小企業の方が多かったからかもしれないが)若者が大事だ、道を譲ろう、という気概の人は世間で言われるほど少なくないのでないかという希望も抱いた

4、一旦染まって、そこから色を出す

海外で根張ってグイッと伸ばしてくために
でも、これではチョット進出しましたねーパチパチで終わっちゃう。やっぱり海外で根を張ってグイッと伸ばしていこうと思ったら、社内力高めの日本人のおっさんを送り込むだけじゃきっと難しい。週6で日本食レストラン行って現地の駐在ピーポーと夜な夜な(日本人向けの)キャバクラ通って折に触れてテイクアウトしちゃうおっさんにはテイクオフしてもらって、多少はブロークンでもゴリゴリ英語なりスペイン語話して、現地企業とか人にぶっこんで仲良くなって案件とってきて、クラブでラテン美女とmake outしちゃうくらいのガッツのOSSAN(ないしONIISAN)でないと。多分に偏見だけど。そういうOSSANをガチで目指すかは別として、このbonus期間に、1よりも2なんでないのということは試みてみたいなと思っております。

→ 幸か不幸か「クラブでラテン美女とmake out」することはなかったけれど、ここは概ねその通りだったと思っている。日本ではよく「ウチとソト」みたいな話が出ることがあるけれど、それはアメリカでも一定通ずるところがあって、「ウチ」に入っていく気概は大事

食というのは大変にドメスティックなもので、ここ20-30年でかなり食はグローバル化したと思うが、それでもやはり基本的にはインド人はカレーを食べ、アメリカ人はバーガーとピザを食べ、日本人は和食を食べ、ドイツ人はソーセージを食べる。食の世界ではトレンドが一番早いアメリカでも、カリフォルニアやニューヨークといった例外を除くと、バーガー屋やピザ屋が本当に多い。そこに入り込むにはどうしたら良いか?数店舗出してエキゾチックなものとしてやっていくならそのままでも全然成り立つ。けれど、もし数十店舗、ひいては数百店舗を目指すとなると、やっぱりインターフェースを合わせていくしかない。東西海岸にいる知識層と話していると気づかないが、結局マルコポーロの時代から日本の認識というのは変わっていないんじゃないかとさえ思う。はるか東(彼らの地図から見ると)にあるジパング。Ninjaが走り回り、Geishaが街を闊歩する

個人対個人ではその認識は改めていったらいいのだけど、そういう認識が根付いている国に進出して事業を展開していくのであれば、ぶっちゃけそのままでいい。(メディアはそういう取り上げ方が好きだけど)正直日本がなんたるかを正確に伝えるために進出しているわけではないし、日本食を広めるためにやってるわけでもない。純粋にビジネスチャンスがあると思っているからやっているだけ。現地の人に人気が出ないのなら、撤退した方が良い。なので、「日本は本当はこうで」と教育するコストをかけるくらいなら、現地が思っている姿にインターフェース(外観や例えばメニュー構成等)は合わせてしまえば良い。枯山水に私らは日本を感じるかもしれないが、とりま鳥居10本ぶっ立てる方がOh Japan!てなるかもしれない。ただ、食を提供する会社として、製品の品質は変えないし、そこは徹底的にこだわる。ただ、インターフェースは合わせてもいい。そんな想いで開けた店は、まだ成功!失敗!と断じるには早いが、確実に、違った層のお客様(日本人やアジア人のみでなく)に受け入れられ始めているという実感を感じた

組織に関しても、通じるものがある。アメリカ人は基本的にフレンドリーなので、ビジネスの文脈においても、テンション高めに挨拶してハグとか握手してるとすぐ仲良くなれた感じがある。でも継続的に仕事をしていく、特に動いてもらわなくてはいけないのであれば、それでは足りない。大事だなと思った要件は3つ。(i)とりあえず飛び込む気概 (ii)自分の価値を示す (iii) 最適なコミュニケーション経路を探る、こと

おおむね3年前の考えは間違ってなかっれど、当時は論理:情=5:5もしくは4:6くらいで思っていたが、今は7:3くらいだなと思う。情(コミュ力っぽい部分)は大事だし、日本の組織ではそれでいける部分もあるかもしれない。けど、アメリカやおそらく他の国でも、論理がないと価値は出せないし最終的に認めてもらえないなと思う

最後に

3年前と比べると、思ってもみなかったところ、より遠くに来れたのではという感覚はある。日々の業務は楽しかったし、進出やM&Aといった前向きなことにも関わらせて頂いた。一方で人員整理や撤退、清算、売却といった後向きな案件や、自分自身が外されたりといったこともあった。ビジネスに関わる身として強くなった気もするし(とりま腹筋は割れた)、まだまだ勉強経験不足とも思う。総括すると、1勝1敗2分け。でも、人間てゲンキンなもので、振り返ると楽しい思い出ばかりな感じです。ちょっとしんどいこととかないと、飽きちゃうしね。そういう意味で、最高の3年間でした。

29歳、若手と言いにくくなってしまった、、という絶望もあれど、次もまだ刈り取りより種植えの時期。またポップに走って行こうと思います

毎度または折に触れてうどんを食べるたびに写真やストーリーを送りつけてくれた(海外含め)友人の方々、ありがとうございます。たとえ実は違う会社での麺だったとしても、嬉しかったです。今後とも当麺、ぜひブランドを間違えず、よろしくお願いします!

nau 杯

———————–

まだ余力とグローバル感が有り余ってる方はこちらもどうぞ。英語の方が(どうせ読まれないし的なのもあり)ぶっちゃけ書きやすいなと思った

Flour and flare: Consulting shop to Udon shop

追伸) 分量がインフレして書ききれませんでしたが、下記についてもまたいつか書きたいと思っています

-自分のスペースあると楽しい
-ゼロサムでない、交渉を
-ちゃんとEXITする。甘くない部分も吸う
-飲食は、大変
-傍流でなんぼ
-日本企業の良さ悪さ

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