Life
11月は一部日本に帰ったので、日本で思ったことを中心に書く。
メシがうめえ
特に発展性がないので本当に文字通りなのだが、メシがうめえ。着陸後にすぐあるコンビニのおにぎりからもううめえ。日本人なのでかなりバイアスがかかっているが、郷土料理、と呼ぶ中にこんなにもメジャークラスの知名度の料理(寿司、らーめん、とんかつ、うどん、そば、沖縄そば、焼き肉、等々)がある国も中々ないのではないだろうか。
特に理論的な後ろ盾もないのだが、日本は島国だったから、他の国との人の交友が極端に小さい。なので、(今もそうだけど) 住んでる人は9割日本人だし、過去にも姿形がほぼ一緒の人たちで国内でどんちゃん戦ってた。姿形が一緒の人たちの中にいると、小さい違いに敏感になる。逆にそこに着目しないと差別化ができなかったりする。そういうこともあって、細かいことに敏感になる感性が染み付いていて、食についても「そんなこだわる?」というレベルに昇華されてるのでないかと妄想している。
北米でもうまい店はたくさんあるけど、細かいこだわりを、高級店でないレベルでもやる感性をもった人を集めるのはもう無理なんじゃないかと思う。それは供給側だけでなく、それを食す需要側からの刺激も必要だからだ。300円(今は少し値段あがったけど)でうどんを売ってても、「ちょっと今日のやつコシ足りなくない?」とか「出汁ちょっと濃く/薄くない?」みたいな意見が飛んでくる(必ずしも批判ではなく、感想としても)。そういう意味では、バンクーバーという、都市であるものの結構サイズが小さいこの街で、急に日本の料理人が100人くらい来てそれぞれの店(日本食に限らず)を開いたりしたら、経年的に供給・需要側双方に影響があってレベルが上がっていったりするのか?など思ったりする。
日本にはジョブがたくさんある
日本にはジョブ(求人)がたくさんあって驚く。飲食や宿泊業といった業界は日本に限らず人不足を聞くことがあるが、日本はホワイトカラーの仕事がたくさんある(少なくとも、たくさんあるように見える)。
最近はアメリカでもカナダでも、景気の影響でレイオフの話をよく聞く。日々生きていても、社外の友人で「レイオフにあった」という人が過去数ヶ月でも5人くらい思い浮かぶ。移民・外国人に限るものでなく、普通にカナダ人も対象になる。流動性が高いと聞くので次もすぐ決まるのかと思いきや、最近は半年も1年も次が決まらないという人をザラに聞く。日本でいうところの旧帝大みたいなところを出て、職歴が立派な人もだ。自分も日本で働いてたときは、(気持ちの上では)嫌ならいつでもクビにしてくれ!くらいのマインドでやっていたが、こっちでは全然思わない。普通に安定して働きて〜 ってめっちゃ思う。
日本で大企業・スタートアップ・外資など様々なところで働いている友人と話したが、どこも人が足りなく採用をしているという。マクロで見ると日本は人口が減っているわけだし、円安も進行していてコスト高の影響はどこも受けているのでないかと思うのだけど、そこら中に仕事があるような印象を受けた。北米(といっても自分はカナダの一部しか体感していないが)と温度感が違いすぎてびっくりする。
これは、率直に言って、今異国で暮らし、仕事は得たもののそんな財務的にも社会的にも基盤がしっかりしているとは言えない自分にとって、場合によっては帰ってこれる・・と感じられる点においてポジティブである。バンクーバーにいると、圧倒的に給与差がありむしろハードワークになりうる母国には帰りたくないインド人やメキシコ人、政治的理由で帰ることに前向きになれない香港の人々にたくさん出会う。その点、帰れるというオプションを持てる(そしておそらくなにかの仕事は見つかるだろうと思える)自分たちはラッキーだなと思う。
他方で、先ほど記述したような理由で違和感はある。要因について、自分の中の現時点の仮説は2つ。1つは、言語のハードルがめちゃくちゃ高いこと。北米だとLinkedInに募集要項を出して直接応募を待つのが一般的だが、有名企業でなくとも最近は1つの求人に対して3日で500件以上の応募が来ることもザラである。これは英語が話せればまず対象にはなりうる(それよりハードルの高い労働許可証、ビザの制約はあるのだが)ので、とりあえず応募がたくさんくる。他方日本では、エンジニアなど一部職種は違うのかもしれないが、基本的に一定程度(例えば日本語能力試験でN2以上)の言語力が求められ、そのハードルは高い。入った後も、100人の中で自分だけが外国人という環境を心からエンジョイできるかは、かなり運もあるのでないかと思う。なので、相対的に仕事に対して人が多すぎるということにならないのかなと思う。
次に、投資家からの人的コストに対するプレッシャーが弱いこと。上場企業においても「人員削減により人件費をもっと抑えて利益率を更にXX%増やせ」というプレッシャーは相対的にとても弱いのでないかと思う(日本↔北米の投資家のスタンスを熟知しているわけではないのであくまで主観)。赤字企業ならまだしも、2桁%以上の利益を出している企業に対して更に何割か人を切れと迫る投資家はあまりいないんじゃないかと思う。それか、いても世論や報道?に潰されるのかもしれない。北米だと、黒字企業もどんどん人のクビを切る。それは短期的に確実にコストが減り利益があがるので、ある意味「簡単な」手でもあると言える。上場企業に限らず非上場のスタートアップに対しても、(これはトレンドにも左右されるが)投資家と議論していた売上のマイルストーンが達成されてないので◯割をクビにせよといったプレッシャーがかかる。もちろん退職金の上乗せもあったりするので、結果的にラッキーと感じる元従業員もいるとは思う。けれど、こちらでレイオフにあった現地の友人と話していても「次あるから大丈夫!」と明るく言える人は多数派じゃないし、自分もどう声をかけていいかわからない。どんどんクビを切ることがいいことだとは思わないし、北米(というか米)企業は極端だなと思う。ピカピカのキャリアのアメリカ人の友人も、常にクビを想定しているわけではないものの常に競争にさらされていると感じていると言っていた。日本はマクロでは縮小していく国内市場を主戦場とする企業が多い中で、なんとなくぬるい感じがするのはいつまで続くんだろうなァなどと思った。
分散している
ここ数年で日本の中で北海道・東北から沖縄まで色々な地方へ足を運んだ。どんな田舎に行っても、人は住んでいるのだなァと感じることが多かった。ただ同時に空き家もたくさんあって、インフラを提供できる経済的合理性がいつまで続くだろうかという土地も少なくないと予想される中で、それでも今のところは日本は色々なところに人が分散しているんだなァと感じた。
会社も分散している。今回あるニッチな分野でのDXを推進するスタートアップで働く友人の話を聞いて割と驚いたのが、そのニッチな分野において同様にDXを推進しようとしているスタートアップが結構な数あるとうこと。私の友人が働く企業はその業界のナンバー1,2だったので、人や技術といったリソースを抱える(相対的に)大きな企業がその分野を制覇していくのかなと思っていたのだが、どうも同様なことを掲げる小粒の新興企業がたくさんあって、それらがちょこちょこと市場シェアをとるらしい。競争があるのは健全なことだし、大いにあったらいいと思う。ただ話を聞いていて気になったのは、それらの新興企業の多くがそこら辺のVC(失礼)からなまじ投資を受け、全然赤字だけど今は保っていて、そんなに猛然と追い上げるぞという様子もなかったりするらしいということ。コンサルやファンド時代にゾンビ企業という話を昔からある大企業ないし中小企業の文脈で聞いたことがあったが、どうも「ゾンビスタートアップ」なるものもあるようだ(※当然主観が入っている)。老舗のそば屋でも横にとっかえひっかえ新しい飲食店ができたら消耗する。同様に、ニッチ分野のトップも、小粒対応を折に触れてやっていると消耗する。では(アメリカのように)買ってしまうかということになると、下手に外部資本が入っているせいで赤字でそれほどコア技術がなくとも買収価格が高止まりしていたりするらしい。北米だと色々な部分がビッグテックないしその次のティアの企業に集中していくので、色々分散してるんだなァと思った。一定のサイズになって他の業界で同じソリューションを活かして進出するとか、海外に行くとか、ニッチ業界ナンバー1,2でもすることが色々ある中で、結構不毛な戦いが随所で起きてるんじゃないかと邪推した。
人も分散している。スタートアップ業界で有名な、上場もしている会社で採用をしている友人は、「待遇もいいはずなのに、他社に結構とられてしまう。もはやみんな一緒に(事業を)やったらいいのに」と嘆いていた。たしかに北米だと、新卒での就職でも転職でも、シンプルに待遇がいいまたはブランド力のある企業にどんどん移っていく人が多い。それはそもそも転職が当たり前だから嫌だったら移ればよいということだったり、雇用もずっと保証されているわけでないから(所属企業の)ブランドをつけておきたいとか色々あるのだろうけど、とにかく意思決定のプロセスがシンプルだと思う。結果としてビッグテックであったり大企業に人が集中していく。そしてビッグテックはどんどん伸びていくので、元々高い給与はもっと上がりうるし、もらった株も上がる。サラリーマンでも夢があるとも言える。日本だと志望理由だとか、逆にブランド名があるとこよりそうじゃないとこに行く方が動きやすいとかイケてるとか、なんか結構考える要素が多そうだなと感じる(良い悪いでなく、違いとして)。もっと人がどんどん吸い込まれていって、事業が伸びていって、給与も他社より2-3割高いのでなく2倍みたいな企業が出てきてもいいのではと思ったりする。
極めて不健康
今回日本に滞在してみて、私個人にとって日本にいることは非常に不健康だなァということを思った。それはひとえに、一時帰国にかこつけて一生飲み会をしているからである。書いていて自分でもアホだなと自己認識をしているのだが、もし仮に本帰国して日本に(例えば東京に)戻ったら、毎日でなくとも週3-4回とか飲み会をする生活に戻ると思う。環境が人に与える影響が大きいので、自分はその環境に多大な影響を受けて日々の生活を組み立てていくと思うからだ。
だいたいは自炊で、平日夕方はもはや散歩している「老後?」みたいなバンクーバーでの生活と比べて、刹那的には確実に日本(というか東京)にいたほうが楽しいんだろうなと思った。会社都合の飲み会とかではなく、好きな人と好きなところで盃を交わして、そしてアルコールによってブーストされた楽しみの最高値は中々に高い。
一方で、シラフになって考えたときに、今と数年どういうライフスタイルを送っていたいかを考えると、今の自分はバンクーバーでのライフスタイルを選ぶと思う。バンクーバーでも一生ビールを飲んでいるといえばそうなのだが、そもそも飲み会の総量が少ないので飲酒量は減っているし、夜も日付をこすことはあまりない(そもそもだいたい店が閉まる)。まァ、1年後には飲み会が足りないとまたピーピー言っているのかもしれないが。
Activity
- 飲み会: 30回 (+24回)
- 運動 : 日平均消費588kcal(+63kcal), 300kcal\< 27 / 30日 (90%)
飲み会の回数が激増(消費アルコール量は4倍弱・・)したのは想定内だったのでさておき、日あたりの消費カロリーを保てた、なんなら先月よりも増えたのは少し驚きだった。今回はしまなみ海道のサイクリングや自主的にランニングしたり、といったアクティビティを取り入れていたのはさておき、日本(主に東京)にいるとめっちゃ歩くんだなということを知った。バンクーバーにいると運動をしなければ歩きだけで100kcalを超えることは殆どないが、東京にいると駅まで歩く・乗り換え等々で1日200-300kcalをゆうに消費していた。ので、想定よりは健康に過ごせたと思う。但し、想定以上に(深夜の)らーめん消費が増えたので、普通に2kgくらい太った。
Reading
最近やたらと漫画を読んでいる。以前は本と比べて一瞬で読み終わる漫画は、金額あたりのかける時間が少なくてどうなんや・・と思っていたが、なんか最近は吹っ切れて気になったらグイグイ買っている。最近まとめ買い(だいたい続いてて、最新刊までKindleで買った)のはこのあたり。特に面白かったのは夢なし先生、8月31日のロングサマー、日本三国あたり。おもろくて既刊巻数が多すぎないやつあったら教えて下さい。
Buying
11月はブラックフライデーがあった。そもそも日本にいたのでブラックフライデー云々関係なく色々なものを買ったのだが、金額が大きめなものから列挙していくと
- AirPods Pro2 (ブラックフライデー): 普通に買い替え。前のやつは3年くらい使ってなんか異音がするようになってしまった
- Canon PowerShot V10 (ブラックフライデー): JR湘南新宿ラインの電車内広告にあったものを衝動買い。スマホサイズのVlog用のカメラらしい。全然Vlogしようと思ったこともないのでマジで衝動以外で買う理由ないのだが、とりあえずちょっと使ってみて用途なさそうだったら返品しよ・・という北米マインドになっている
- ドンキのスーツケース: 大きいのを持っていて快適なので機内持ち込みサイズも買った。車輪がスムーズに動くってこんなに快適なのね
- ウィスキー: もはやカナダではブランドものは全く買えないんじゃないかという気がするので何本か
- BRINGの服: 以前から愛用しているブランドの店舗(恵比寿)が閉店セールするということで色々と爆買いした。とにかく洗濯後に一瞬で乾くのが良い
- 日本のお菓子(特に白い恋人): 会社で白い恋人おいたときのハケ具合というかスピードが尋常じゃない
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